第29回 「外国人介護人材受け入れの在り方に関する検討会」について

第29回 「外国人介護人材受け入れの在り方に関する検討会」について

今回のほっと・ケアライフ通信では、平成28年9月にも行われました「外国人介護人材受け入れの在り方に関する検討会」についてお伝えいたします。

(1) 目的
二国間の経済連携の強化の観点から行われるものであり、両国間の友好や協力の促進を意図して締結された、経済連携協定(EPA)に基づくものになります。

そのため、介護業界の人材不足を補うものではなく、あくまでも人材輩出先との経済的連携の強化のために行うものとしています。

(2) 内容
インドネシア・ベトナム・フィリピンからから、EPA介護度福祉士候補者を受け入れるという内容になります。

(3) 現状

  • EPA介護福祉士候補者の介護福祉士試験の合格率は、平成26年時点で44.8%と年々上昇している。
  • EPA介護福祉士の受け入れ対象が「介護施設」や「通所介護」などに限定されおり、「訪問系」の介護サービスでは現在受け入れをしていない。

(4) 今後の展望

  • 日本人介護福祉士と同様に、専門的知識及び技術を有することが確認されていること
  • 就労の際には、日本人介護福祉士と同様に、その適性に沿った業務に配置されると考えられること

以上のことからEPA介護福祉士を、介護福祉士としての就労範囲に制限を設ける理由乏しいと考えられるようになっております。そのため、「施設系」だけではなく、「訪問系」にも活躍の場を広げていくことが適当である、としています。

(5) 課題

  • チームで行動する「施設系の介護サービス」ではなく、基本利用者の方と1対1のサービスになる「訪問系」では、日本語をどこまで習得できているか、という問題。
  • 生活援助の「調理」を行う場合に、日本人にあった料理や味付けにできるか、という問題。
  • 建物内で行う「施設系」とは異なり、「訪問系」では移動を伴うため車の運転が必要となる場合があり、日本の気候や交通規則に対応できるか、という問題。
  • 利用者やその家族の文化的背景を理解することができるか、という問題。

(6) 対応策

  • EPA介護福祉士を従事させるに際し、受入れ施設において、業務に必要な日本語学習の支援を引き続き行うことやEPA介護福祉士の個々の専門性や経験を踏まえた適切な配置や労務管理を行う。
  • EPA介護福祉士の就労範囲に訪問系サービスを追加に当たっては、人権擁護等の観点から、必要な措置を併せて講じる。
  • EPA介護福祉士用の相談窓口を設ける。

以上が、「外国人介護人材受け入れの在り方に関する検討会」で話し合われた内容の要約になります。