トップ > ほっと・ケアライフ通信
ほっと・ケアライフ通信
第23回 「高齢者虐待の防止」について
最近、高齢者施設における高齢者虐待の報道がテレビや雑誌などで複数報道されています。
この「高齢者虐待」についての対応策が、平成27年11月に厚生労働省老健局振興課により発表されましたので、今回のほっと・ケアライフ通信では、この高齢者虐待への対応策をまとめさせて頂きます。
今回発表された「高齢者虐待への対応策」は「要介護施設従業者等による高齢者虐待の再発防止及び有料老人ホームに対する指導の徹底等について」になります。
「要介護施設従業者等による高齢者虐待の再発防止及び有料老人ホームに対する指導の徹底等」について内容を説明させていただきます。内容は大きく以下の5つに分けられます。
1. 高齢者虐待防止における基本的事項
- 要介護施設のなどの管理者は、事業所職員の状況・職場環境の問題等を把握し、必要に応じて運営法人の業務管理者に報告すること
- 報告を受けた当該法人の業務管理者は、当該報告に対し、助言や指導を行うこと
- 要介護施設従業者等の一人一人の努力のみに任せていると、職員のストレスがたまり、不適切なケアにつながるなど、高齢者虐待を引き起こす要因となる可能性があるので注意すること
2. 高齢者虐待の未然防止
高齢者への虐待防止を未然に防ぐために、法第20条では以下の4つが求められています。
- 要介護施設等が自ら企画した研修を定期的に実施すること
- 苦情処理体制が施設長等の責任の下、運用されること
- メンタルヘルスに配慮した職員面談等を組織的に行うこと
- 業務管理体制を常に自主的に点検し、必要に応じ、体制の見直しや運用の改善務めること等について、要介護施設等への指導・助言に努めること。
3. 虐待事案の早期発見
- 要介護施設従事者等は、高齢者虐待の早期発見に努めなければならない
- 要介護施設従事者等は、高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合は、速やかに市町村に通報しなければいけない。
- 要介護施設従事者等は、通報したことを理由として、解雇その他不利益な取り扱いを受けない
4. 虐待事案への迅速かつ適切な対応
- 市町村又は都道府県は、虐待の相談等があった場合は、訪問調査を迅速に実施できるように、初動期段階の体制を整えておくこと。また、地域包括支援センターにおいては、市町村と連携して、虐待事案に対応することが求められている。
- 市町村は虐待事案に迅速に対応するために、虐待の有無と緊急性を適切に判断することが重要であり、担当部署の管理職等が会議を行い、市町村の責任の下判断する。都道府県については、会議には専門的知識を持った人の参加も必要なため、会議の設置及び運営、知見者の活用方法等について助言や広域的な観点からの支援を求める。
- 高齢者虐待に関する相談・通報がなされた場合、事実の確認を速やかに行い、高齢者本人等の状況を確認した後、虐待のケースの状況に応じて、介護保険法又は老人福祉法の権限行使等を行う必要がある。
5. 有料老人ホーム(サービス付き高齢者向け住宅)に対する指導の徹底
- 定期的な立入調査等を通じた指導の徹底
- 有料老人ホーム(サービス付き高齢者向け住宅)
以上が「要介護施設従業者等による高齢者虐待の再発防止及び有料老人ホームに対する指導の徹底等について」のまとめになります。